用語解説 [ ABC... ]

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CDC

アメリカ疾病予防センター:Centers for Disease Control and prevention(CDC)はアメリカ・アトランタにあるアメリカ合衆国保健社会福祉省所管の感染症対策の総合研究所です。本センターより勧告される文書は、非常に多くのベン件やデータの収集結果を元に作成・発表されるため、世界共通ルールとみなされています。 2009年のメキシコで発生した豚インフルエンザ感染の際には、多くの情報の発信元となったのは記憶に新しいです。

CEマーキング

ヨーロッパの製品安全規格に合格していることを認証するマーキングです。

CEとは Conformite Europeenneの省略でヨーロッパの安全規格に一致していることを意味していいます。設計・生産などが対象で評価の手続きは製品の設計(ABGHの4モジュール)、生産(CDEFの4モジュール)に関して8モジュールに分類されています。

対象となる品目は、医療機器、単純圧力容器、建築資材、ガス燃焼機器、玩具の安全、機械の安全、身体防護用具などです。

  • EMC指令 : 電磁波を発するか、あるいは外部の電磁波によって機能に影響を受けるおそれのある製品に関する指令です。外部に強い電磁波を出さない、外部からの電磁波によって影響を受けない設計が要求されています。
  • 低電圧指令 : AC50~1000V、DC75~1500Vの電源で駆動する電機製品に対する技術な事項が要求されています。
  • 機械指令 : 工作機械、ロボット、建設機械などの産業機械を中心に、洗濯機など一般製品でも可動部に危険性が認められるものも対象となります。安全に関して機械製品が備えていなければならない基本的事項が要求されています。

CEマーキングは、ヨーロッパに端を発していますが、最終的にはPL(製造物責任)問題として、国内外を問わず販売する商品全般に要求される問題と判断し全社的な対処が必要です。メーカー毎の企業努力によって製品の安全性を向上させ、顧客の評価を高めて行くことが期待されています。

FDA

アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administrationは、食品や医薬品、さらには化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカの政府機関です、日本の厚生労働省に該当します。

ISO規格

ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称であり、同機構が策定する標準化規格の総称としても使われています。ISOは、知識・技術・商品が世界規模で流通している中、 国際的な標準規格が策定されることで、消費者や企業間取引において、商品・サービスの信頼性を担保する大きな役割を果たしています。

ISO規格には、ネジやフィルムなど工業製品に対する規格と管理の仕組みにたいする規格があります。

一般企業に必要となるISO規格は以下の通りです。

ISO9001 品質管理及び品質保証
ISO14001 環境マネジメントシステム
ISO27001/ISMS 情報セキュリティマネジメント
労働安全衛生 労働安全衛生マネジメント
ISO20000 ITサービスマネジメント(ITSM)に関する英国規格BS15000をベースとして開発 された国際規格です
ISO:22000 食品マネジメントシステム
製品認証 製品等を対象として評価し、関連製品規格への適合を認証するシステム
ISO13485 医療機器に関する品質マネジメントシステム
ISO15189 臨床検査に関する品質マネジメントシステム

IVD

IVD(in vitro diagnostic)とは、インビトロ診断または体外診断ともいいます。疾病の診断に使用することを目的とした検査で、患者さんから採取した血液や尿などを試験管内で試薬と混合し反応させることで、試料中の微量物質を測定する検査です。世界の医療業界において、IVD市場は最も利益の多い部門の一つともいわれています。様々な慢性疾患や感染症の増加、新たな技術開発や患者の認識の高まりなどにより、IVD市場は成長を続けています。また世界のIVD市場は、年成長8~9%と言われています。さらに遺伝子診断やポイントオブケアテスト(POCT)は、将来のIVD市場の中心的な役割をする検査になると予測されています。

JIS規格

JIS(Japanese Industrial Standards:日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格です。 JISは、2008年12月末現在で、10,173件が制定されています。

LAMP

LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)とは、栄研化学が開発した遺伝子増幅法です。 標的遺伝子の6つの領域に対して4種類のプライマーを設定し、鎖置換反応を利用して一定温度で反応させることを特徴とします。サンプルとなる遺伝子、プライマー、鎖置換型DNA合成酵素、基質等を混合し、一定温度(65℃付近)で保温することによって反応が進み、検出までの工程を1ステップで行うことができます。

増幅効率が高いことからDNAを15分~1時間で109~1010倍に増幅することができ、また、高い特異性から増幅産物の有無で目的とする標的遺伝子配列の有無を判定することができます。

PCR法と比較して、一本鎖から2本鎖への変性反応が不要で、60~65℃の定温で反応が進むことが特徴です。

NASBA

NASBA( nucleic acid sequence based amplification)とは、目的の一本鎖RNAに、対して相補的な塩基配列をもつ(アンチセンス)一本鎖RNAを一定温度(4℃)で、高効率で増幅できる方法をいいます。オランダのオルガノ社の発明で、転写反応を利用したRNA特異的な定温核酸増幅法です。一本のチューブ内で3種類の酵素と鋳型特異的な2種プライマーの共同作用により、ゲノム DNA の影響を受けることなく鋳型 RNA に相補的な1本鎖アンチセンス RNA が増幅産物として得られます。 具体的には、基質となる一本鎖RNA、逆転写酵素(AMV-RT)、RNase H, T7ポリメラーゼ、NTP, dNTPが含まれます。この方法はPCRと違ってRNAを直接増幅できる点が特徴です。

NAT検査

NAT(nucleic acid amplification test)検査とは、核酸増幅検査またはPCR検査と呼ばれる検査方法のことです。1999年10月より、血液センターでHBV,HCV,HIVの3種のウイルスに対してNAT検査が実施されています。NAT検査は、血液センター専用に開発された検査で、医療機関や保健所では実施されていません。がエイズ(HIV)検査については、医療機関でのPCR検査がエイズ検査として採用されるまでに、血液検査センターでNAT検査が採用されたためその名前が残り、HIV-NAT検査と呼ばれています。医療機関や保健所でも、HIV-NAT検査は実施されています。

またIVD分野において急速に発展している核酸検査をNAT(nucleic acid testing) ともいいます。NATはライスサイエンス業界の中心的な役割を担い、医療の改善と個別医療の発展に貢献しています。

OEM

OEM(original equipment manufacturing)とは、発注元企業のブランドで販売される製品を製造することです。またはそのような製品を製造する企業をいいます。一般的には、販売ルートを持たない企業が、開発部門はもたない(または不足している)が販売網をもっている企業に対してOEMで製品を供給する場合が多いです。PSSの場合は、世界の大手企業からの製造委託により、マグトレーション装置をOEMにより供給しています。

PCR

PCR(Polymerase chain reaction)は1986年に発表された画期的な技術で、分子生物の進展に大きく寄与しました。ポリメラーゼ連鎖反応という遺伝子を増幅させる方法です。

PCR法ではDNA のある一部分だけを選択的に増幅させることができます。これには、DNAポリメラーゼによる酵素反応を利用します。実際にPCRを行う場合、試薬を混ぜてサーマルサイクラーなどの機械にセットしてスイッチを押すだけで、誰にでもPCRを実施できます。

1.
DNAを増幅させるためには、まずDNAの二本鎖を一本鎖にする必要があります。DNAを入れた反応溶液を約94℃にし、熱変性させることで一本鎖にします。
2.
一本鎖DNAにDNAポリメラーゼを作用させるために、予めプライマーをDNAに結合させる必要があります。これをアニーリングといいます、アニーリングは約55~60℃で行います(プライマーによりアニーリング温度は異なります)。
3.
最後DNAポリメラーゼを反応させ、DNAを伸長させます。耐熱性ポリメラーゼ(Taq Polymerase)で行う場合は72℃で行います。
4.
1~3を繰り返すことでDNAを増幅させます。
Tm(melting temperature):プライマーの設計にはTm値の計算が不可欠です。Tm値とは二本鎖DNAの50%が一本鎖に分かれる時の温度のことで、この温度をもとにアニーリングする時の温度を決定します。
プライマー(Primer):DNAポリメラーゼがDNAを合成する際に、3'OHを供給する役割をもつ短い核酸の断片のことをプライマーといいます。試験管内でのPCRに使用されるものは,化学合成した短いオリゴヌクレオチドで、その長さは通常20塩基程度です。その副対象の2本鎖DNAの両鎖それぞれの3'側と相補的な配列をプライマーとして準備します。

POCT

POCT(point of care testing)とは、患者のベッドサイドや開業医、または救急現場のあらゆる場面で、迅速・簡便に精度の高い診断ができる検査のことをいいます。POCTにより検査結果を患者の目の前で得られるため、診断・治療の効率化が図られるため、質の高い治療ができます。

POCTに求められることは、1)検体の前処理(遠心分離や分注)が不要であること。2)簡単な処理・検査であること。 3)検査に特別なスキルを必要としないで、簡単に測定できて、安定した品質であること。4)検体量が少量で患者に負担にならないこと。5)機器を使用する場合はメンテナンスフリーであること。6)データ管理ができること。等です。

SNP:スニップ

SNP(Single Nucleic polymorphism) とは日本語では一塩基多型と呼ばれています。ヒトゲノムの全塩基配列には個人差があり、そのうち一塩基レベルの違いをSNPといいます。

特定の集団において1%以上の頻度で出現しているもので、単に塩基が別のものに置き換わっているものもあれば、塩基が挿入されていたり欠失していたり様々です。エクソン部位の変異はmRNAのシークエンスから比較的簡単に見つかりますが、現在ではゲノム全体が研究の対象であり、発現量を調節する部位の変異や、イントロン部位の変異によってスプライシング制御が異なることも分かってきています。

SNP解析をすることで疾患の原因遺伝子を特定することも可能ですし、薬物の代謝酵素のSNPを解析することでその人に合った薬剤を選択することが可能です。例えば、現在ではある病気の人全てに同じような薬が処方されていますが、中には体質により副作用が生じることがあります。今までは「体質」の一言で片付けていましたが、実際はその薬物を代謝する酵素の機能異常や、代謝酵素の量が少ないということがSNPの解析から分かりつつあります。したがって、あらかじめそういったSNPを調べておくことでその薬による副作用を避け、別の薬を処方するという選択肢がでてきます。これがこれからの時代の「テーラーメイド医療」と呼ばれる所以です。

SNPの有用な点は結果がプラスかマイナスかの2通りしかないためデジタル信号化できることです。大量のSNP解析の結果を高速コンピュータで解析すれば、タイピング解析が容易にでき、機器開発により自動化が可能となります。

  • エクソン : 遺伝子のうち最終的にmRNAとして発現される遺伝子部分をエクソンまたはエキソンといいます。 遺伝子~転写されたmRNA前駆体のなかで、プロセッシング後にmRNAとなって残る塩基配列を含む領域、発言される領域(expressible)という意味からこの名があります。
  • イントロン : 転写されるが最終的に機能する転写産物からスプライシング反応によって除去される塩基配列をいいます。アミノ酸配列には翻訳されません。エクソンの対儀語です。
  • スプライシング : 細長いものをつなぐ様子を表す言葉です。フィルムを切ってつなぐことであり、生物額分野ではある直鎖状ポリマーから一部分を取り除き、残りの部分を結合することをいいます。

TMA

TMA(transcription mediate amplification)は、アメリカのジーンプローブ社が発明した遺伝子増幅法です。恒温による増幅のためサーマルサイクラーは不要です。

UL規格

UL規格とは、アメリカで生まれた、主に電化製品の安全性を認証する規格で、このUL規格を定めているのはアメリカ政府ではなく「アメリカ保険業者安全試験(Underwriters Laboratories Inc:UL)という非営利の民間機関です。UL規格はアメリカ国内で使用される電化製品、あるいは電機部品を含んだ製品にとって必ず取得・適合しなければならない安全規格です。

関連用語

ETL:ETL testing Laboratories

ETLとは、製品試験及び認証試験所として古くからの実績をもつ、IEC, ANSI及びUL等の適合試験を実施する第3者認証機関の一つです。

ETLマーク

ETLマークは北米向け安全認証マークです。適応規格はUL規格を参照します。

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