PSSの全自動遺伝子検査装置「geneLEAD XII plus」は、4月下旬にN Health Co.,Ltd.(タイ王国、バンコク)に設置されました。その主たる目的は、診断用途向けに新規に開発され、大館試薬センターで製造したDNA/RNA抽出試薬「MagDEA Dx SV」の外部評価試験をタイの臨床現場にて行うものです。
N Healthはタイ王国で有数の医療機関として、東南アジアの臨床検査の分野で中核をなす臨床検査室を多数保有しています。PSSは、N Helathの遺伝子検査部門であるBio Molecular LaboratoryのDr. Thaweesak Tirawatnapong(サーウィサック・ティラワトナポン博士)と共同で、「geneLEAD XII plus」(装置)および「MagDEA Dx SV」(試薬)と、Dr. Tirawatnapongの開発したReal-time PCR試験方法を組み合わせ、ウイルスや細菌を対象とした実践的な評価試験を行っています。この評価試験の結果は、「geneLEAD XII plus」と「MagDEA Dx SV」の遺伝子検査における有用性を示すのみではなく、今後の自動化システムと一体となったPSS試薬ビジネスのアジア圏への拡大にも大きく貢献するものと考えております。
(写真左:Dr. Thaweesak Tirawatnapong)
今回Dr. Tirawatnapongより臨床診断現場の装置利用者としての立場からコメントを下記にて頂きました。
「私たちの検査ラボにて最近導入された geneLEAD XII plusはとても実用的な遺伝子検査システムとして役だっています。この全自動化遺伝子診断システムが、従来の自動化システムに対する優位性として挙げられるのは、汎用性が高い(多数の検査項目とサンプル対応可能)だけではなく、迅速な処理(従来6時間かかっていた全遺伝子検査工程を2-3時間で処理可能)により、患者並びに臨床診断関係者が大きな利便性のメリットを享受できる事です。
従来のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術による遺伝子診断自動化装置は、ほとんどがクローズシステム(他システムと連結不可能)ですが、オープンシステムであるgeneLEAD システムはあらゆるタイプのPCR技術とのシステム連結が可能な事から、診断したいテーマに応じた全自動化対応が可能になりました。当遺伝子診断検査施設では、独自のPCR技術をgeneLEAD システムに連結統合する事により、我々が調査したい検査項目に応じた診断及び検証を行っています。
また、geneLEADシステムの検査感度が、既存のPCR技術と比べて非常に高い事から、ウイルス感染症のような非常に微量の病原菌やその他検体からの遺伝子診断が可能となっています。将来的には、本システムの発展により定量遺伝子測定による道が開ける事(早期診断・テーラメード医療対応)になるのではないかと考えています。」
以上